京阪神を走る鉄道各社に、有料の座席指定・定員制のサービスが広がっている。将来の人口減で減収が見通されるなか、付加価値で乗客をつなぎとめ、収益を確保したい狙いがある。「倹約指向」が強いとされる関西人の気質になじむか。
京阪神区間には、大阪経由で神戸と京都を結ぶJR西日本と阪急電鉄、大阪と神戸を結ぶ阪神電鉄、京都と大阪を結ぶ京阪電鉄の主に4社が走る。並行して走る路線の多さから、同エリアは乗客獲得の競争がとりわけ激しいとされる。
3月末の平日朝のJR大阪駅。神戸や京都に向かう新快速は、通勤や通学の客で混み合っていた。12両編成のうち1車両だけ、乗客のほとんどが座れて混雑のない車両がある。有料の指定席「Aシート」の車両だ。
乗車料金に加え840円(ネット予約なら600円で、4月28日まではキャンペーンで390円)の追加料金がかかる。通常のより座席が6センチ広いほか、電源や無料WiFiも備える。定員は44人。19年3月から1日2往復導入した。連日ほぼ満席と好評のため、今年3月から6往復に増やした。
各社で導入やその検討が進む有料サービス。京阪神は首都圏に遅れをとっています。後半ではその理由や、有料化成功のポイントも紹介します。
同社は、コロナ禍を経て密を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル